時間距離速度ヒト

はじめに   
 最初は距離と時間と速度を私なりに整理しておこうと思った。それが,年表から新型コロナという現象の方向に行ってしまった。もともと考えていた持論ではあるが,テーマが途中で分岐したため,一貫性に欠けてしまったが,まあ自由研究 だからご容赦を。宇宙について出典によりいろいろな数字があり,パラメーターによっても変わっ てくる。専門家ではないので,厳密性にも欠けるし,詳しい説明も省いた。宇宙で迷子になると困るので,細かい事を最後は気にし ないようにした。誤りもあると思う。

距離   
 1mm,1m,1km,1000km,1万kmぐらいまでだろうか,感覚的についていけるの は。100万km,1000万km,1億km,1000億km,1兆kmとなると置いて行かれる。   

表1 いろいろな速度

 表1,光が1秒間に進む距離はおよそ30万km,1時間だと10億8000万km,1年間,1 光年が9兆4600億km。 新幹線は1秒間に70m進む。飛行機が340m,ロケットは11km,ヘリオス2号という 探査機は70kmを記録したらしい。ロケットの1秒間11kmだってすごいと思うけ ど,そのロケットより光は2万7千倍早い。光が1年間に進む距離(1光年)をロケッ トで行くと2万6767年。もうロケットで例えるのもやめておいたほうがいい。 

表2 恒星までの距離と大きさ

  表2,地球から主な恒星までの距離を 調べてみた。光速で月まで1.3秒,ロケット10時間(単純計算)。太陽まで光:8.2 分,ロケット:152日,土星まで光80分,ロケット:4年。ここまでは,太陽系。太 陽系なら距離的にも時間的にまだ把握が可能だが,太陽系に近い恒星シリウスまで 光で8.6年,ロケットで23万年。ベガ(織姫)まで光25年,ロケット67万年。シリウ スでもロケットで23万年以上かかる。23年前にはまだ,ヒトは地球に存在していない。(現生人類は,ホモ・サピエンス・サピエンスと呼ばれるようだが長すぎるので「ヒト」 と表記する)太陽系を出てしまうと,やはりロケットで例えるのも無駄だ。 

  べテルギウス(オリオン座)になると,光でさえ640年,ルネサンスが始まる前に 出発した光を今見ていることになる。1光年が9兆5千億キロなので,それに642を掛 けると6.1京km。距離で表すのも無駄だ。光年でいい。あるいはパーセク。 宇宙が生まれて138億年といわれ,90億光年離れた恒星(イカロス)が観測されて いる。9.5兆に90億を掛けると,…やめておいたほうがいいことがわかる。 時間 の1秒,1分,1時間,1日,1年,1000年,1万年,100万年,1000万年,1億年,10億 年。1000万年以上になると感覚的にわからない。 

表3 

 表3,ザックリしすぎだが,138億年前に宇宙が始まり,46億年前に地球が生まれ た。生命が生まれ,恐竜が闊歩し,氷河期があり,生物が大量に滅亡したのが1億年 前を切ってから。さらに生物は進化を続け,類人猿が出てきたのが数百万年前。そ れから種々の直立猿人,原人が出現,数十万年前にネアンデルタール人が現れ ヒ トが生まれたのが20万年前を切ってから。この間年表はスカスカ。その間も今と同 じ長さの1日,1年があったが,スカスカの記録しかない。アフリカ・ボツワナ起源といわれる(正確には現生人類ヒトと同タイプの最古の DNAが発見されたのがボツワナ)が,20万年前に出現し,石器時代から縄文弥生と なり,農業が起こり定住生活をするようになる。このあたりから,つまり2万年前ぐ らいになってようやく,感覚的にわかってくる。古代文明がアフリカ・アラビア・ アジアで起きたのが6000年前。古代文明までにもいろいろな文明がアフリカ,アラビアで起きていただろうが,人口に膾炙しているのは一応エジプト文明からとしておく。その後ギリシャ・ローマが栄え、キリスト教が起こる。それから中世が始まり, 見直しを図るルネサンスが15世紀ころ,宗教改革,大航海時代は16世紀,ここらあ たりから西欧の優位が決定的になる。それまではアラブ・アジアがヨーロッパと肩 を並べた時代もあった。見方にもよるが,かなり均衡していたのではないか。サラセン帝国,オスマン帝国,元などはヨーロッパを侵食している。それが,近代以降 は優劣がはっきりとし,プロテスタントと資本主義のヨーロッパが優位となる。近 代以降ヨーロッパでは自然科学が発達し,市民革命が起こり,科学技術と人権の尊重と産業と金融が発達する。近代以降500年余は,ヨーロッパ・白人・キリスト教優 位の歴史であった。さらに200年余,つまり19世紀、20世紀は,人類史の密度が濃くなるとともにヨーロッパ優位も強まった。マックス・ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」は手前味噌である点を除けば,カソリックではなくプロテスタンティズムとした点,資 本主義を取り上げた点が正鵠を射ている。20世紀初頭に書かれているので,慧眼と認めざるをえない。 

  冷戦時代を白人・キリスト教の内部対立と考えれば,近・現代史はヨーロッパの 歴史だったと言っても過言ではない。今もそうかもしれない。しかし,人類の祖先 が生まれて500万年,ヒトが現れて20万年,古代文明から6000年,という時間のスパ ンで考えれば,優位の逆転は起こりえる。1000年後,19世紀から20世紀はプロテスタンティズムと資本主義の時代だった,となっている可能性を否定できないどころか,そうなる蓋然性のほうが高い。10万年後にヒトに変わる新人種が出現してい る可能性さえ否定できない。つまりそれは,今の米中の覇権争いの結末を予言することになるかもしれないし,欧米優位が,他地域,他人種,他宗教優位に変転する可能性を示唆さえしている。今は密度の濃い人類史も1000年もすれば,19-20世紀にか けて,エネルギー革命,コンピュータ革命,インターネット革命,の一言で終わっ てしまう可能性がある。 長さを時間で割ると速度が出るが,

表4

 表4,地球の自転の速度は秒速466m,交転の速度は秒速約30kmで太陽の周りを回っている。太陽は自転秒速1890m,公転秒速 220km。放送衛星は静止しているようだが,秒速3000mで動いているが,地球も同じ角速度で動いているから静止してい ることになっている。宇宙ステーションは秒速7660mで動いている。

  感じないと動いていないのではなく,動いているとそれを感じないといけないのでもない。感じなくても動いているものは動いている。感じても動いていないもの は動いていない。認識することと事実は別。疑うほうに行ったのがデカルトで,現 象のほうに行ったのがフッサール,実存に行ったのがハイデッガー,サルトル,ガ ブリエル,というペダンチックなことはどうでもよく,1京kmという距離は感じられなくても存在し,存在しても感じないのである。感じなくても秒速466mで地球は回っている。しか し,感じなければ回っていないと同じことでもある。新型コロナが起きてもそれを感じなければ起きないと同じことで,新型コロナが起きなく てもそれを感じれば起きていることになる。私たちはコロナを認識しているから認 識しかつ事実であるが,当時の人たちが認識しなかっただけで過去にもコロナが起 きていたことは否定できない。また,認識=事実かどうかは定かではない。
 さらに,新型コロナが起きた後と起きる前と,同じ自己や社会や制度ではない。コロ ナ前とコロナ後では,やはり何かが変わる。それは,新型コロナが起きなくても,自己 や社会や制度は変わっている可能性がある,新型コロナがなくても変われる可能性があ るということでもある。
  コロナをここで出すのは飛躍しすぎるが,この半世紀,1世紀,2世紀,3世紀,特 に急速に状況の変化が加速しているように感じても,それは,感じているだけかも しれない。変化が加速していないと証明することのほうがはるかに難しいと思う が,しかし,地球ができて46億年,宇宙ができて138億年の中でここ200年,まして や10年,20年の激変をあれこれ言うのは今を生きている当事者の欲目やひいき目で しかないのではないだろうか。かすかではあるが,私には,現象や実存を正視,直 面することと,イリュージョン,幻想や幻覚とそれほどかけ離れたことではないように 思えてしまう。複数のインターフェイス(界面・接面)がデジタルにより可能になり、なお さらそう思えてしまう。さらに,イリュージョンは,夢想,幻影,妄想,偏執,そして,讒 妄,狂気,つまり,パラノイアになる。そこまで行くと自己も幻なのではないかとなる。そろそろ地上に戻ろう。    今回は0を増やすことだけにしたが,10のマイナス30乗や40乗があることも忘れて はならない。分子・原子・電子・クォーク,プランクの世界。つまり,事実と思っ ているだけで実感できなければ,幻影と同じではないかという考えを否定しきれな い。新型コロナ を幻想といったらそれは飛躍だが,事実や真実や現象を信じ切ってしま う,飲み込まれてしまう危険性も慮るべきかもしれない。138億年,1光年9兆kmの 中の事実や真実,現象であることをときどき勘案する必要があるのかもしれない。事実とそれを感じる,認識する,理解するということは別のこと。その事実だっ て幻想なのかもしれない。

結語
桁外れのスケールが存在する。ヒト史の近現代は白人・プロテスタント・資本主義優位を否定できない。それは変わる可能性がある。ここ200年ぐらいの劇的変化はヒト史において,ルネサンスや宗教改革や産業革命や 市民革命のような単なる一つの歴史的変動に過ぎないのか,それとも,別格の史上 最大の変革なのか。今は誰もわからないが,後世が評価する。私は,ひとつの歴史 的変化「情報通信革命」でしかないと思うが・・・。 たかが事実,されど事実 。認識と事実は同じではないし 事実は変わる。真実も変わる、 地球は回っている。

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